京大医学部合格体験記その3(英語の勉強法)

3.英語(センター筆記200/200、リスニング46/50、2次試験112/150) 

 受験英語において重要なのは単語、文法、多読、音読です。京大の場合は、表現力も必要です。
単語について。僕は高1から『システム英単語Basic
』『システム英単語』を毎晩寝る前に15分から30分ほど心の中で発音しながら紙に書いて覚えていました。高2の後半からは見出し語だけでなく派生語も覚えていました。
 文法も高1から始めました。高1前半は英語があまり得意ではなかったので『基礎英語問題総合演習
』、高1の冬からは『大学入試基礎英語頻出問題総演習
』の構文、文法部分を1日2ページずつ、重要イディオムを1日1ページずつしていました。これらの参考書を覚えれば模試の知識問題やセンター試験の文法問題で満点を狙うことができます。
 単語と文法の両方ともですが、朝起きてすぐに前日の夜にやった内容を、参考書や問題集を見ながら思い出していました。寝ている間に記憶は定着しますから、暗記は寝る前にして、次の日の朝に「覚えたつもりになっていないか」を確かめるのがよいでしょう。僕はこれに加えて、週末にも単語と文法の復習をしていました。
 高1の夏から高2の夏休み前までは毎朝『英文必修問題精講』『基礎英文問題精講』を1日1~2問ペースで全訳していました。和訳の際は1文ずつ「構造分析」してください。「構造分析」とは、文の中の主語はなにか、述語動詞はなにか、それ以外の部分はどのような要素なのかをビジュアル的に明らかにすることです。
  試しに、下の長い英文を構造分析しながら和訳してみます。(出典は医学科1回生の必修科目「基礎医学生物学」の教科書、ESSENTIAL CELL BIOLOGYの前書きです。⇒ESSENTIAL CELL BIOLOGY 京大紅萌会のブログ記事
 We seek to explain, in a way that can be understood even by a reader approaching modern biology for the first time , how the living cell works :to show how the molecules of the cell—especially the protein, DNA, and RNA molecules—cooperate to create this remarkable system that feeds, responds to stimuli, moves, grows, divides, and duplicates itself.
 []は名詞句、節〈〉は形容詞句、節()は副詞句、節を表します。
 We seek to explain, (in a way 〈that can be understood even by a reader 〈approaching modern biology for the first time〉〉) , [how the living cell works ]:to show [how the molecules of the cell—(especially the protein, DNA, and RNA molecules)—cooperate to create this remarkable system 〈that feeds, responds to stimuli, moves, grows, divides, and duplicates itself〉]. 
訳:我々は、初めて現代の生物学に携わる読者でさえ理解できるような方法で、生きている細胞がどのようにはたらいているのかを説明したい。つまり、餌を食べ、刺激に反応し、動き、成長し、自らを分裂させ、複製するこの注目すべき機構を、細胞の分子—特にタンパク質、DNA、RNAの分子—がどのように協調して作るのかを示したいのである。 
上の英文は1度読んだだけでは文構造が分かりません。しかし、上のように構造分析できれば京大の和訳問題よりも簡単です。なぜなら、受験生ならば知っている単語だらけで、難しい文法事項も入っていないからです。構造分析は文法や単語の知識の上で初めて成り立つものなので、まずは文法と単語を固めることが大切です。
  京大入試本番では、受験生が知っているはずの無い単語が下線部に必ず入っています京大が求めているのは、未知の英単語を前後の文脈や全体のテーマから類推する探究心を持つ人だと思います。この「単語の類推」の際に役に立つのが「内容分析」です。内容分析とは、前のセンテンスから後ろのセンテンスへどのように議論が進んでいるのかを分析することです。内容分析で重要なのは「paragraph reading」と「Discourse marker」の2つです。前者は、各パラグラフが何を言っているのか、及び、どのような関係にあるのかを考えながら読むことで、後者は、論の進む方向を示す「談話標識」に注目して読み進めることです。僕が使った問題集は『パラグラフリーディングのストラテジー(3)』(和訳問題が多めなので京大受験生にはお勧めです)と『ディスコースマーカー英文読解
』(こちらの問題集は少し特殊ですが、いい問題集です)の2つです。2つの問題集を何度も繰り返しました。どちらの問題集も、英文の構造分析がある程度できる人でなければ使いこなせません。
 構造分析と内容分析が身についた人は実践あるのみです。毎日英文を読み、訳してください。僕が使ったのは『新こだわって! 国公立二次対策問題集 英語3 英語長文読解 標準 』『新こだわって! 国公立二次対策問題集 英語3 英語長文読解 発展』『京大 英語25ヵ年』などです。レベルがあっていればどんな英文でも和訳の教材になりますので、どんな問題集でもいいと思います。ただし、和訳を頭に思い浮かべるだけではいけません。必ず紙に書いてください。「自然な日本語で表現できるか」も京大入試では問われています。
 また、1つの英文を読み終わったら音読をしてください。その際、できるだけ早口でするのが効果的です。音読のメリットは数多くあり、例えば、
・英文を前から順番に理解する訓練になり、英文を読むスピードが上がる
・構造分析のスピードが飛躍的に上がる
・文章中の単語が覚えやすくなる
・発音問題とリスニングの対策にもなる
などです。
 京大では英作文もあります。英作文の勉強は、時制や主語の決め方、型、重要表現を覚え、問題を解き、添削をしてもらい、問題点を改め、出てきた新しい表現を自分のものにする。この繰り返しです。僕が使ったのは『実戦編 英作文のトレーニング
(z会)』『京大 英語25ヵ年』です。模試の過去問もいい練習になります。特に河合塾の京大オープンは解説が詳しいのでお勧めです。
まとめると、「単語と文法→構造分析→内容分析と英作文」の順番で、毎日音読を取り入れて学習するのがいいと思います。もちろん、単語と文法は忘れないように毎日寝る前に暗記しなおすことも重要です。